
果糖ぶどう糖液糖やたんぱく加水分解物って何?
そんな疑問にお答えします。
普段、何気なく選んでいる食品のなかで、添加物については細かくチェックするといった方も多いかもしれません。
しかし、 「たんぱく加水分解物」や「果糖ぶどう糖液糖」といった成分を気にしてみたことはあるでしょうか。
これらは化学的に合成された成分であるにも関わらず、添加物ではなく「食品」として扱われています。
そのため「無添加」と書かれている商品にも存在し、知らず知らずのうちに口にしていることも少なくありません。
そこで本記事では、それぞれの成分の実態や製造方法、どんな食べ物・飲み物に含まれているのかを徹底解説します。




果糖ぶどう糖液糖・ぶどう糖果糖液糖・高果糖液糖とは?


「果糖ぶどう糖液糖」・「ぶどう糖果糖液糖」・「高果糖液糖」とは、強い甘みをもつ異性化糖の一種です。
異性化糖とは、トウモロコシなどを原料にしたデンプンを、
加水分解や異性化処理をして造られたブドウ糖と果糖がまざった液体のこと。
異性化糖(いせいかとう、英語: high-fructose corn syrup; HFCS)とは、主にブドウ糖からなるコーンシロップ(トウモロコシ)を、酵素かアルカリによって異性化した果糖とブドウ糖を主成分とする糖をいう[1]。日本の食品の原材料名でよく果糖ブドウ糖液糖と表記される。
引用:異性化糖
さらに「果糖ぶどう糖液糖」・「ぶどう糖果糖液糖」・「高果糖液糖」といった名称の違いは、
果糖の含有率によるものです。
果糖の割合 | 異性化糖 |
---|---|
50%未満 | ぶどう糖果糖液糖 |
50%以上90%未満 | 果糖ぶどう糖液糖(砂糖と同等の甘味度) |
90%以上 | 高果糖液糖(一番甘い) |
甘みの強さは 「果糖 > ぶどう糖」になるため、
果糖の含有率がもっとも高い「高果糖液糖」が一番甘いということになります。
さらに炭酸飲料などでよく見る「果糖ぶどう糖液糖」は、標準異性化糖(果糖55%)のものだと砂糖と同じくらいの甘味度ということになります。



砂糖(ショ糖)は、ブドウ糖と果糖が1:1で結合している!
・参考URL:日本農林規格の見直しについて「異性化液糖及び砂糖混合異性化液糖」農林物資規格調査会/ 異性化糖をめぐる状況について令和5年6月農林水産省農産局地域作物課
異性化糖の問題点


「果糖ぶどう糖液糖」や「ぶどう糖果糖液糖」などの異性化糖の問題点は以下の通りです。
- 遺伝子組換え原料の可能性
- 過剰摂取しやすい
- すぐに吸収されてしまう
異性化液糖の原料は、トウモロコシや馬鈴薯などを原料としたデンプンです。
とくにコーンスターチ(トウモロコシ)が原料に使われますが、これは輸入された遺伝子組換え原料である可能性が高いのです。
また、異性化糖は液体のため様々な飲み物や食べ物に混ぜやすく、
さらに砂糖のような重い甘さを感じにくいため、無意識に多く摂取してしまいがち。
また「砂糖(ショ糖)」は、ブドウ糖と果糖が1:1で結合している(二糖)ため、体内で分解してから吸収されるのに対し、
「異性化糖」は、ブドウ糖と果糖が混合しているため、それ以上分解する必要がなく吸収が早いのです。
入っているものは?


異性化糖は、砂糖に比べて以下のようなメリットがあるため、広く加工食品に利用されています。
- 液体なので溶解する手間がいらない
- 甘味がシャープで後味が残りにくい
- 低温で甘味度が増す
- 安く製造できる
・ 単糖類の高い浸透圧及び低粘度により、ショ糖よりも甘みがシャープに感じ、速やかに消失する。
引用:○異性化糖の特徴
・ 温度が低い程甘味度が高く評価される。(5℃が最高)
・ 果糖分の含有量を調整することにより、甘味度の調整が可能。
(ショ糖の甘み100とした場合、果糖120-170、ぶどう糖65-80)
令和6年農林水産省農産局地域作物課 の資料によると、
異性化糖がもっともよく使われているのが「清涼飲料水」、ついで「乳製品」、「調味料」、「酒類」となっています。
つまり混ぜやすい液体の製品に多く、ジュース、炭酸飲料、栄養ドリンク、乳酸菌飲料やヨーグルトなどには注意が必要です。
さらに、ドレッシングやめんつゆなどの「調味料」にもよく利用されています。


よく炭酸飲料の一番最初に「果糖ぶどう糖液糖」の文字が見られますが、
一番最初に書いてあるということは、最も多くの割合で使われているということです。
砂糖だと避けがちな糖類も、異性化糖のようなシャープな甘みに、
香料や酸味料などの添加物がプラスされると一層、爽やかな口当たりで罪悪感なく飲めてしまいます。
普段からこのような製品をよく利用するという方は、ぜひ気を付けてみてください。


・参考URL:異性化糖をめぐる状況について 令和5年6月農林水産省農産局地域作物課
たんぱく加水分解物(アミノ酸液)とは?


たんぱく加水分解物は、食品にコクや旨みを与えるアミノ酸混合物であり、
食品添加物には分類されませんが、食品に対し化学調味料と同じような効果をもたらします。
液体のものはアミノ酸液とも呼ばれ、醤油製造にも利用されることがあります。
たんぱく加水分解物の問題点


たんぱく加水分解物の問題点は、添加物の化学調味料と同じように、
日常的な摂取で、食品本来の味が感じにくくなるといった①味覚の変化が挙げられます。
また果糖ぶどう糖液糖と同様に、原料が遺伝子組み換え作物や、
牛や豚などの商品価値の低い部分の肉などが使われている可能性があるといった②原料の問題点、
さらに、たんぱく質を加水分解する③製造方法のひとつにある問題を抱えています。
製造方法にはつぎのようなものがある。
引用:タンパク加水分解物


製造方法の問題点


たんぱく加水分解物の製造には、「塩酸分解法・酵素分解法・熱水抽出法」といった3つの方法があります。
なかでもコストが抑えられるなどの理由で、主流なのが「塩酸分解法」です。
塩酸分解法とは、原料のたんぱく質から塩酸を使って加水分解をする方法。
しかしこの方法は、クロロプロパノール類という化合物が生成されることから安全性が懸念されています。
コーデックス委員会では、2000年から食品中のクロロプロパノール類について検討を行い、
クロロプロパノール類のひとつである「3-MCPD」の液体調味料における最大基準値を設定しています。
酸加水分解植物性たんぱくを含む液状調味料(本醸造しょうゆを除く)の3-MCPDの最大基準値:0.4 mg/kgを設定 (2008年7月の第31回総会で最終採択)しました。
引用:クロロプロパノール類及びその関連物質をめぐる国際的な動向
これを受けてEUや米国をはじめとする世界でも規制の動きがあり、
食品中のクロロプロパノール類やその関連物質に関する基準値を設ける国が増えてきています。
しかし残念ながら、日本では低減対策を推進するだけで規制はされていません。
日本で普通に食べられている食品や調味料が、海外では輸入禁止になることがあるのです。
農林水産省は、食品事業者の皆さんと連携して、食品中のクロロプロパノール類とその関連物質の低減対策を推進しています。
引用:食品中のクロロプロパノール類及びその関連物質に関する情報
入っているものは?


たんぱく加水分解物は、食品や化粧品にも使われることがあります。
食品では、「うま味」や「コク」のもとであり、食感を向上させてくれる役割もあるため、
あらゆる加工食品に含まれているのが現状です。
蛋白質加水分解物はペプチドやアミノ酸で構成されており、これによって食品の風味や食感が向上することがあります。これは、調味料や食品添加物としても利用される要因の1つです。
引用:蛋白質加水分解物
具体的には、即席めんやスープなどのインスタント食品、醤油や顆粒だしなどの調味料、
たくあんやキムチなどのお漬物、ポテトチップスや煎餅といったスナック菓子などです。
たんぱく加水分解物の入った食品は、明らかに嫌なあと味が残ります。
これに慣れてしまうと自然の美味しさ・旨みを感じにくくなってしまうため、
できる限り含まれていない商品を選ぶのがおすすめです。




無添加食品にご注意を。


果糖ぶどう糖液糖などの異性化糖と、たんぱく加水分解物について解説しました。
これらは化学的に合成されている成分にもかかわらず、現在でも添加物には分類されない食品扱いとなっています。
そのため「無添加」と書かれている食べ物や飲み物にも含まれている可能性があり、注意が必要です。
加工食品はなんとなくパッケージで選ぶのではなく、原材料をよく確認して選ぶのがおすすめ。
知らず知らずのうちに過剰摂取することがないよう、気をつけたいところです。

