添加物の少ない醤油はどう選べばいいの?
そんな悩みにお答えします。
私たちの食卓に欠かせないお醤油。毎日使うからこそ、本当に良いものを選びたいですよね。
でも、市販には多くの種類があって、どこを見て選べば良いいのか迷ってしまう……という方も多いのではないでしょうか。
醤油には、うすくち・こいくち・たまり醤油などの原材料や味の違い、天然醸造・本醸造などの製造方法の違い、
さらに添加物の使用や、遺伝子組換え大豆の問題など、様々な注意点があります。
そこでこの記事では、一般的に売られている醤油の種類や選び方、おすすめの無添加しょうゆを紹介します。
この内容を理解すれば、醤油の違いがわかるようになり、本物の無添加しょうゆを迷わず見つけられるようになります!
国産素材やオーガニック原料、小麦粉不使用で造られたこだわりの種類も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
避けたい原材料と製造方法
伝統的な醤油は、大豆(丸大豆)・小麦・食塩の3つの原材料で造られます。
さらに製造方法は「本醸造方式」と言い、以下のような工程で製造されます。
- 小麦を炒って砕く
- 蒸した大豆と混ぜ合わせる
- 麹菌を加える
- 適切な温度・湿度のなかで菌を繁殖させる
- 食塩水と混ぜ合わせる→もろみ
- 発酵 & 熟成 (約半年〜3年)
- もろみから液体を取り出す→生揚げ醤油
- 火入れを行う(微生物の働きを止める)
麹菌からつくられた「酵素」が、大豆や小麦のタンパク質を分解してアミノ酸(うまみ成分)へ、でんぷんを糖分にかえて甘みを生み出します。
さらに、酵母や乳酸菌などの微生物の力によって、醤油特有の色・味・香りが生みだされるのです。
このように、本来しょうゆは自然の力でゆっくり発酵・熟成されて造られるもの。
しかし最近では、添加物によってこの美味しさプラスしたアミノ酸液入りの醤油や、
遺伝子組換えが心配される脱脂加工大豆の使用などで、コストを抑えて製造される種類が増えてきています。
アミノ酸液入りの醤油
国で認められている醤油の製造方法は3種類。
解説した本醸造方式と、残りの2つが「混合醸造方式」と「混合方式」と呼ばれるアミノ酸液を使う方法です。
アミノ酸液とは「たんぱく加水分解物」のことで、小麦やとうもろこしなどのたんぱく質を塩酸で分離させたもの。
塩酸はカセイソーダで中和されると水と塩になり、最終的に食品には残らないという理由で原材料には表示されません。
「諸味」に大豆(脱脂加工大豆)、小麦、とうもろこしなどのたんぱく質を塩酸分解してつくったアミノ酸液を加え、数ヶ月間熟成させます。製品によっては、アミノ酸液ではなく、塩酸の代わりに酵素で大豆を加水分解した酵素分解調味液や小麦を発酵により分解した発酵分解調味液を使います。
引用:農林水産省 しょうゆの製造方法 混合醸造方式
どちらの方法も熟成期間を短縮し、効率よく製造ができるので、消費者にとっては安く買えるメリットがありますが、
化学的につくられた「うまみ」を無理やり添加しているので、本醸造方式でつくられた醤油の味や旨みとはまったく別のものになります。
また、アミノ酸液が使われた醤油は、それだけでは美味しくないので他にも添加物が使用される傾向にあり、さらなるコストカットのため脱脂加工大豆も使われやすいです。
美味しくて安全性の高い醤油を選ぶなら、「本醸造」や「天然醸造」などと書かれた種類を選ぶのがおすすめ。
料理に使うとこれらの味の違いは明らかです。
アミノ酸液(国内製造)、食塩、脱脂加工大豆、小麦、砂糖、果糖ぶどう糖液糖/アルコール、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、甘味料
脱脂加工大豆とは?
大豆を収穫し乾燥させたそのままのものを「丸大豆」と呼びますが、
これに対して「脱脂加工大豆」とは、大豆から油を絞った後の状態のものを言い、「大豆かす」と呼ばれることもあります。
脱脂加工大豆はコストが抑えられるため醤油にもよく利用されます。
しかし脱脂加工大豆の原料には輸入大豆が使われていて、これが遺伝子組換え原料の可能性が高いことや、
油分を抽出する工程でヘキサンという化学物質を使って脱脂する「溶媒抽出法」が用いられることがあります。
これらの理由から、原材料には、なるべく「丸大豆」が使われているものがおすすめです。
乾燥大豆には約20%の脂肪が含まれている。この脂肪をダイズから取り出すのに圧搾法と溶出法がある。圧搾法では油の収量が低いため近年はヘキサンなどの溶媒を用いた溶出法が用いられ、脱脂大豆には1~2%の脂肪しか残らない。
引用:日本大百科全書(ニッポニカ) 「脱脂大豆」の意味・わかりやすい解説
おすすめ無添加しょうゆ13選!
おすすめの無添加&本醸造しょうゆを紹介します。
これらの醤油はすべて、脱脂加工大豆不使用、アミノ酸液不使用、添加物なしで製造されています。
国産素材や有機原料、小麦粉不使用などこだわりの種類もありますので、ぜひご覧ください。
品名 | 種類 / 内容量 |
---|---|
【海の精】旨しぼり醤油 | 濃口醤油 1L |
【大徳醤油】丸大豆醤油 | 濃口・淡口 200/500/900ml/1.8L |
【ヤマロク】鶴醤・菊醤 | 再仕込み醤油 濃口醤油 ※ギフトもおすすめ 145/500ml |
【海の精】たまり醤油 | たまり醤油 ※小麦不使用 150/500ml |
【海の精】うすくち醤油 | 薄口醤油 500ml |
【オーサワ】二百年蔵醤油 | 濃口醤油 720ml |
【井上醤油店】井上古式じょうゆ | 濃口醤油 150/360/720/900ml |
【笛木醤油】金笛丸大豆醤油 | 濃口醤油 150/600ml/1L/1.8L |
【足立醸造】国産有機醤油 | 濃口・淡口 ※ギフトもおすすめ 500/900ml |
【松合食品】 ヤマア 天然醸造丸大豆しょうゆ | こいくち・うすくち 900ml/1.8L |
【大正屋醤油】 お米から造った純米しょうゆ | 純米醤油 ※大豆・小麦不使用 150/720ml |
【正金醤油】 天然醸造こいくち醤油 | 濃口醤油 500ml/1L |
【丸中醤油】丸中醸造醤油 | 濃口醤油 ※ギフトもおすすめ 150/300/720ml |
詳しく解説していきます♪
【海の精】旨しぼり醤油
海の精の『旨しぼり醤油』は、国産有機大豆・国産有機小麦・秩父の天然水・伝統海塩 海の精を使用した、濃口醤油です。
天然醸造(本醸造)方式で1年以上、じっくり発酵&熟成。
そのままでも、料理にも◎食材がより一層、美味しくなるおすすめの醤油です。
有機大豆(非遺伝子組み換え)、有機小麦、塩(海の精)
海の精で一番人気のこいくち醤油です♪
【大徳醤油】丸大豆醤油
大徳醤油の『丸大豆醤油』は、万能に使える濃口と、素材の味を引き立てる淡口の2種類です。
国産原料を100%使用し、天然醸造方式によって時間をかけて造られた伝統の味。
兵庫県産の丸大豆に、丹波産の小麦、長崎県の平釜塩「にっぽんの海塩」が使われています。
・濃口…大豆(国産)、小麦(国産)、食塩
・淡口…大豆(国産)、小麦(国産)、食塩
和洋中なんにでも合うまろやかな醤油です♪
【ヤマロク醤油】鶴醤・菊醤
ヤマロク醤油の『鶴醤(つるびしお)』は、国産大豆と国産小麦を使用した再仕込み醤油。
再仕込み醤油とは、1〜2年熟成させた醤油をもう一度桶に戻し、醤油のなかに大豆と小麦を加えさらに2〜3年仕込む、二度仕込みする製法のこと。
塩を使わず醤油の塩分を利用することで、「かど」のとれた深いコクとまろやかさが生まれます。
『菊醤(きくびしお)』は、旨みの強い丹波黒豆と香川県産小麦を使用したこいくち醤油。
あっさりとキレのある味わいで料理にも、かけ醤油としてもおすすめです。
・鶴醤…大豆(国産)、小麦(国産)、食塩
・菊醤…黒大豆(国産)、小麦(国産)、食塩
ギフトにも人気のお醤油です。
【海の精】たまり醤油
海の精の『たまり醤油』は、国産の有機大豆を使用した、小麦不使用のしょうゆです。
愛知県武豊の杉桶で2~3年かけて発酵・熟成されたたまり醤油は、大豆の旨みが凝縮されていてトロッと濃厚。
煮ものや焼き魚など照りや赤みを出したい料理、お刺身やお寿司など卓上用にもおすすめです。
有機大豆(非遺伝子組み換え)、塩(海の精)、純米焼酎
食生活に制限のある方にも人気です♪
【海の精】うすくち醤油
海の精の『うすくち醤油』は、農薬や化学肥料を使用せずに栽培した国産丸大豆と小麦、
伊豆大島の海水から生まれたお塩・海の精を使用した、薄口醤油です。
天然醸造方式でじっくり熟成。お刺身や冷奴、煮物や汁物などの料理にも幅広くお使いいただけます。
大豆(非遺伝子組み換え)、小麦、塩(海の精)
お吸い物や関西風うどん、おでんにも!
【オーサワジャパン】オーサワの二百年蔵醤油
オーサワの『二百年蔵醤油』は、築200年以上の伝統蔵でじっくり熟成された濃口醤油です。
農薬や化学肥料を少なくした国産・特別栽培の大豆と国産小麦、さらに鈴鹿山系の伏流水を使用したこだわりの原料を使用。
芳醇な香りと深いコクがあり、素材の味をより美味しく引き立ててくれます。
特別栽培大豆・小麦(滋賀・石川・岩手・島根県)、食塩(天日塩)
独自の香りと旨みの美味しい醤油です♪
【井上醤油店】井上古式じょうゆ
井上醤油店の『井上古式じょうゆ』は、江戸時代から受け継いだ伝統の醸造蔵によって、
酵母などの微生物・自然のチカラのみで熟成された古式醤油です。
原材料には島根県産を中心とした、国産原料を使用。
豊潤な香りとまろやかな旨みがあり、そのままでも料理にも万能にお使いいただけます。
料理好きにも人気のお醤油♪
国産丸大豆・国産小麦・食塩
【笛木醤油】金笛丸大豆醤油
笛木醤油の『金笛丸大豆醤油』は、有機丸大豆・埼玉産小麦・天日塩を使用した濃口しょうゆです。
杉桶のなかでじっくり醗酵・熟成された本醸造醤油は、濃厚なコクと旨みで料理全般にお使いいただけます。
業務用の1.8Lサイズ(一升瓶)は、備蓄用としてもおすすめです。
有機大豆、小麦、食塩
大豆は輸入されたものですが、有機大豆のため遺伝子組換えではありません。
【足立醸造】国産有機醤油
足立醸造の『国産有機醤油』は、濃口・淡口の2タイプ。
国産の有機原料や兵庫県多可町の名水を使用し、木桶のなかでじっくり熟成された130年以上受け継がれる伝統の味です。
まろやかな旨味で、料理がより美味しくグレードアップ。季節の贈り物に『ギフトセット』もおすすめです。
・濃口…有機大豆(国産)、有機小麦(国産)、食塩(瀬戸内内海水塩)
・淡口…有機大豆(国産)、有機小麦(国産)、食塩(瀬戸内内海水塩)
定番の濃口が人気です♪
【松合食品】ヤマア 天然醸造丸大豆しょうゆ
松合食品の『ヤマア 天然醸造丸大豆しょうゆ』は、
農薬や化学肥料を使わずに栽培された九州産大豆と九州産の小麦、ミネラル豊富な天日塩を使用した丸大豆醤油です。
万能に使える『こいくち』と、甘酒を加えたまろやかな『うすくち』の2種類からお選びいただけます。
大豆(熊本県産)(遺伝子組換でない)、小麦、食塩
コスパの良い1.8Lサイズが人気!
【大正屋醤油】お米から造った純米しょうゆ
大正屋醤油の『お米から造った純米しょうゆ』は、大豆・小麦を使わずに造られた純米醤油です。
原材料は、酒粕・米・食塩のみ。厳密にはしょうゆ風味の発酵調味料ですが、一般的な醤油と同じようにお使いいただけます。
添加物やその他の原料は一切使用されていないので、食生活に制限がある方におすすめです。
酒粕(米:島根県産)、米粉(米:島根県産)、食塩(天日塩:オーストラリア産)
特定原材料等28品目を使用しない専用工場で醸造されています。
【正金醤油】天然醸造こいくち醤油
正金醤油の『天然醸造こいくち醤油』は、国産大豆と国産小麦、オーストラリア産の天日塩を使用した、伝統製法のこいくち醤油です。
芳醇な香りとバランスの取れた味わいで、つけ醤油にも、煮物や焼き物など様々な料理にお使いいただけます。
大豆(国内産)、小麦(国内産)、食塩(オーストラリア原産)
【丸中醤油】丸中醸造醤油
丸中醤油の『丸中醸造醤油』は、国登録有形文化財に登録された、築200年以上の歴史がある醸造蔵でつくられた伝統しょうゆ。
温度管理をしない古式製法により、自然の力と蔵に棲みつく醸造菌の力でじっくりと熟成されています。
まろやかな味と旨みで、刺身やお寿司、煮物や汁物など様々な料理にお使いいただけます。
大豆(遺伝子組み換えでない)、小麦、食塩(天日塩)、*国産の大豆・小麦を使用。
贈り物にもおすすめです。
まとめ:美味しさ引き出す、本物の醤油。
市販されている安い醤油の問題点と、無添加のおすすめ醤油を紹介しました。
本来、醤油づくりに必要なのは「大豆・小麦・塩」の3つの原材料のみ。これを1年以上かけてじっくりと醗酵・熟成されて造られます。
この工程を短縮しアミノ酸液や添加物を利用して大量生産された種類は、カラダに負担がかかるだけでなく、明らかに味が違います。
伝統製法でじっくり造られた本物の醤油を使えば、普段の料理がより美味しく、豊かな食生活を送るのにも役立つことでしょう。