豆腐ってどう選べばいいの?
そんな悩みにお答えします。
冷奴やお味噌汁などの定番和食から、麻婆豆腐、豆腐ハンバーグなど様々な料理に使える「お豆腐」。
でも食べたてみたら「なんだか物足りない……」・「豆の味がうすくてまずい……」なんて経験ありませんか?
実は同じ豆腐でも、主原料である大豆の違いや、使われている添加物によって味や成分に大きな違いが生まれます。
せっかくヘルシーでカラダにもやさしいのに、これではもったいない!
どうせ選ぶなら、美味しくて安全な豆腐を選びたいですよね。
そこでこの記事では、市販されている豆腐の違い選び方、通販・スーパーでも買えるおすすめ豆腐を紹介します。
この内容を理解すれば、買ってはいけない豆腐の見分け方や、おいしい本物の豆腐に出会えます。
本物の豆腐を選ぶポイント3つ
市販されている豆腐のなかで、安全性に配慮した豆腐を選ぶポイントを3つ紹介します。
①豆腐の主原料である「大豆」ですが、これが輸入品の場合は遺伝子組換え原料を使用したものが混ざっている可能性があります。
詳しくは納豆の記事で解説していますが、輸入品は残留農薬のリスクも高いため、どちらにせよ国産大豆のみ使用してある豆腐がおすすめ。
まずはパッケージをチェックし「国産大豆100%」や「〇〇産大豆使用」などといった種類を選びましょう。
凝固剤に「にがり」のみが使用されている
豆腐製造は、大豆を原料とした「豆乳」に「にがり(凝固剤)」を混ぜることで、
にがりに含まれる塩化マグネシウムと豆乳に含まれるたんぱく質が反応して固まります。
豆腐をつくるには凝固剤が必須であり、にがり(塩化マグネシウム)は食品添加物に分類されるため、
実は「無添加の豆腐」は理論上存在しません。
また凝固剤にはにがり以外にも様々な成分が認められていて、
これらは一括表示が許されているため、許可された添加物のうちいくつ使われていたとしても「凝固剤」のみの表示が可能です。
豆腐用凝固剤(食品添加物) | 特徴 |
---|---|
①粗製海水塩化マグネシウム(塩化マグネシウム含有物)/塩化マグネシウム | ・日本で古くから使用されている成分(にがり) ・凝固反応が速く保水力が低い |
②硫酸カルシウム(すまし粉) | ・天然では石膏から生産されるが、現在は化学合成されたものが多い。 ・にがりより凝固反応が遅く保水力が高い。 |
③塩化カルシウム | ・凝固反応が速く凝固力も強い |
④硫酸マグネシウム | ・別名エプソムソルト ・塩分がなく苦味も薄いため単独で使われることは少ない |
⑤グルコノデルタラクトン | ・凝固速度が遅く保水力が高い。 ・凝固温度の幅が広く、低濃度の豆乳で固まるため、低コスト・大量生産向き |
粗製海水塩化マグネシウム・塩化マグネシウムがおすすめ
結論から言えば、「①粗製海水塩化マグネシウム・塩化マグネシウム」を単独で使用している豆腐がおすすめです。
これは通称「にがり」と呼ばれるもので、日本で伝統的に使用されてきた成分。
「粗製海水塩化マグネシウム」は天然の凝固剤であり、海水から塩(塩化ナトリウム)、塩化カリウムを取った残りの液体のこと。
これをさらに濃縮・精製したものが「塩化マグネシウム」になります。
これらは独特の塩気と苦味を含むため、大豆本来の味を引き出し美味しい豆腐が出来上がります。
しかし凝固時間がはやく保水力が低いので、製造には技術が必要で出来る量が少ないといったデメリットがあります。
避けたい凝固剤とは?
豆腐に含まれる凝固剤で気をつけたいのは、原材料に「凝固剤」とだけ書かれて具体的な成分が何かわからないものです。
こういった商品は恐らく「④硫酸マグネシウム」や「⑤グルコノデルタラクトン」を含んでいる可能性が高く、
とくに「グルコノデルタラクトン(GDL)」は、膨張剤・pH調整剤・酸味料としても使われる食品添加物。
凝固剤としては、にがりよりも凝固反応が遅いため扱いやすく大量生産向きですが、
苦味がなく低濃度の豆乳で生産ができるなどの理由から味が劣っているものが多いです。
☆豆腐用凝固剤
大豆から作った豆乳を固めて豆腐にするために用いられる添加物で、いわゆる「にがり」もこれに含まれます。塩化カルシウムなどの塩化物、硫酸カルシウムなどの硫酸塩、グルコノデルタラクトンなどのラクトン類のうち、1種類以上を含むものです。一括名で「豆腐用凝固剤」「凝固剤」と表示するか、物質名で表示します。
使用対象食品:豆腐、油揚げなど
引用:17 製造用剤等
GDL及びLAAの酸凝固剤は破断強度の大きい豆腐をより低濃度で調製でき, その使用量は最大破断強度を与える濃度, それぞれ35.9mM及び28.4mM, を超えると急激に豆腐ゲルが崩壊する.
引用:豆腐製造における各種凝固剤の特性の比較
消泡剤などの添加物が使われていない
豆腐は本来、主原料である「大豆」とにがりなどの「凝固剤」があればできるのですが、
これ以外にもシリコーン樹脂などの「消泡剤」という添加物が使用されている豆腐があります。
☆消泡剤
テンプラやフライなどの揚げ油や豆腐製造時の豆乳の泡を消して均一な製品を作るほか、果実ジャムの製造工程で発生する泡を消して加熱を均一にしたり、ウイスキーなどの酒精飲料の発酵工程での泡を消して正常な発酵を維持するなどの目的で使用されます。シリコーン樹脂が代表的なものです。
使用対象食品:揚げ油、豆腐、ジャム、蒸留酒など
引用:17 製造用剤等
豆腐の製造課程において、大豆を煮たときに大量の泡が発生しますが、これを放置してしまうと、味が劣り日持ちのしない豆腐になってしまいます。
消泡剤を使えば、手作業で取り除く過程を省くことができ、低コストで大量にきれいな豆腐をつくることができます。
砕いた(磨砕)大豆(生呉)を加熱すると、大豆サポニンの作用により泡が生じます。この泡を消すために使用します。泡があると、食感のよい均一できれいな豆腐に仕上がらなく、日持ちも悪くなります。
引用:豆腐の製造過程
消泡剤として使用できる成分はどれも化学合成されたものであり、できるだけ避けたいところですが、
これは最終食品に残ったとしても微量なため加工助剤として扱われます。つまり使っていても表示の義務はありません。
商品によっては、「消泡剤不使用」と書かれた豆腐も売られているので、気になる方はこういった種類を選んだり、
工場で大量生産されているであろう、極端に安い豆腐を避けることも有効です。
また消泡剤以外にも、植物油脂や乳化剤、酸化防止剤などの添加物が使われている豆腐もありますので、
原材料は必ずチェックを行い、「大豆+凝固剤(にがり)」のみが書かれている原材料のシンプルな豆腐を選びましょう。
砕いた(磨砕)大豆(生呉)を加熱(煮沸)すると泡が生じます。この泡を消すために使用します。泡があると食感のよいきれいな豆腐に仕上がらなく、日持ちも悪くなります。
引用:豆腐の添加物を知る>消泡剤
消泡剤にはa.油脂系消泡剤、b.グリセリン脂肪酸エステル、c.シリコーン樹脂があります。
〜中略〜
なお、これら消泡剤は、食品衛生法で、加工中に消滅または最終食品に残っていても微量な「加工助剤」として扱われています。
大豆専門メーカーなどでは「気泡除去装置」を導入している場合も!
【無添加豆腐※】消泡剤不使用・スーパーでも買えるおすすめ9選!
おすすめの豆腐や高野豆腐を紹介します。
すべて国産大豆100%のものであり、凝固剤にはにがりのみを使用。凝固剤以外の余計な添加物や植物油脂は含まれていません。
一部スーパーでも取り扱いのある身近な種類から、備蓄に便利な長期保存のできるタイプもありますので、ぜひご覧ください。
※豆腐には凝固剤(食品添加物)が必ず使われていて「無添加豆腐」は存在しませんが、便宜上、凝固剤以外の添加物不使用という意味で使用しています。
詳しく解説します♪
【さとの雪】ずっとおいしい豆腐
さとの雪の『ずっとおいしい豆腐』は、紙パック入りで常温・長期保存が可能な、絹ごし豆腐です。
国産大豆100%と四国のおいしい水、にがりのみを使用。
無菌環境での充てんと特殊容器により保存料や消泡剤なしでも、濃厚な美味しさを実現しています。
大豆(国産)/凝固剤(塩化マグネシウム(にがり))
賞味期限は、製造日を含む157日間(約5ヶ月)です。
【太陽食品】太陽豆腐
太陽食品(みやぎや)では、国産大豆と天然にがりのみを使用した昔ながらの豆腐を販売しています。
通常よりもゆっくり大豆を砕き、時間をかけて煮ることで、大豆の深い甘みと旨みが凝縮。
もめん・絹・焼き豆腐などの様々な種類からお選びいただけます。
国産大豆、凝固剤(にがり<塩化マグネシウム含有物>)
消泡剤不使用です♪
【自然の味そのまんま】国産豆腐
国産・無添加食品が人気の「自然の味そんまんま」シリーズの豆腐は、
どれも国産大豆100%、天然にがりのみを使用しています。
『木綿豆腐』や『絹豆腐』、『網焼豆腐』など、料理に合わせて様々な種類からお選びいただけます。
丸大豆(北海道産秋田キタムスメ50%・佐賀県産フクユタカ50%)、凝固剤(伊豆大島海精にがり)
【丸和食品】水切り押し豆腐
丸和食品の『水切り押し豆腐』は、国産大豆100%と天然にがりのみを使用した水切り豆腐です。
固めで崩れにくいので、炒め物や揚げ出し豆腐、豆腐ハンバーグなど料理に使いやすくてとっても便利。
その他の添加物や消泡剤は不使用。水切りのため、袋から出してそのままお使いいただけます。
大豆(山形・秋田・新潟県、北海道)/凝固剤[粗製海水塩化マグネシウム(にがり)]
【島田食品】国産豆腐
島田食品は、埼玉県にある豆腐専門メーカー。
すべてが国産・有機大豆100%、天然にがり(粗製海水塩化マグネシウム)を使用したこだわりの豆腐です。
もちろん製造時の消泡剤も使われていないので、どれも安心してお選びいただけます。
有機大豆(国産)、凝固剤〔粗製海水塩化マグネシウム含有物(にがり)〕
【北の大豆】国産豆腐
太子食品は、豆腐だけでなく納豆や豆乳なども人気の大豆食品メーカー。
豆腐はたくさんの種類があり、ほとんどが北海道や青森県の国産大豆とにがりのみのシンプルな原材料でつくられています。
スーパーでも幅広く取り扱いがあるため、買いやすさも魅力です。
丸大豆【北海道産(遺伝子組換えでない)】、粗製海水塩化マグネシウム(にがり)
成城石井オンラインストア でもご覧いただけます。
【椿き家】国産豆腐・国産有機豆腐
広島県の豆腐メーカー『椿き家』では、国産大豆や国産有機大豆を使用した豆腐を販売しています。
凝固剤は「にがり」のみを使用した、シンプルな原材料。
消泡剤はじめ、その他の添加物は一切使用しないといったこだわりで、どれを選んでも安心して購入できるところが魅力です。
椿き家では、消泡剤を使用しなくても泡が立たない製造設備で豆腐を生産していますので、消泡剤を使わなくてもおいしい豆腐を造ることができます。
引用:消泡剤とは
国産丸大豆、凝固剤(塩化マグネシウム含有物)
一部スーパーでも取り扱いがあります◎
【成城石井】おとうふ
成城石井オリジナルの『おとうふ』シリーズは、
国内の契約農家で栽培された大豆に、伊豆大島産の天然にがりを使っただけこだわりの豆腐。
大豆は農薬を極力削減。製造時の消泡剤も不使用です。全国の成城石井、または成城石井オンラインストア などでもご覧いただけます。
大豆(国産)/ 凝固剤(粗製海水塩化マグネシウム(にがり))
【オーサワジャパン】オーサワの高野豆腐
オーサワジャパンの『オーサワの高野豆腐』は、国産大豆とにがりのみを使用した、シンプルな原材料の高野豆腐です。
しっかりとした食べ応えがあり、煮物や揚げ物、味噌汁などにおすすめ。
製造時の消泡剤はもちろんのこと、膨軟剤などその他の添加物も使われていません。
大豆(国産)/豆腐用凝固剤[塩化マグネシウム(にがり)]
まとめ:おいしくて安全な豆腐は、「大豆」と「にがり」のみ!
市販されている豆腐の違いや見分け方、おすすめの無添加豆腐を紹介しました。
豆腐の主原料である大豆は国産100%のものを、
豆腐の製造に不可欠な凝固剤には「にがり(塩化マグネシウム)」のみが使われているものを選びましょう。
最近ではスーパーでも取り扱いが増えてますので、見方さえわかれば選ぶのはかんたん。
輸入大豆は遺伝子組換えや残留農薬のリスクが高いので、有機・オーガニック製品以外はおすすめできません。
また、製造過程で使われる「消泡剤」は、本来加工助剤にあたるため表示義務はありませんが、
気になる方は「消泡剤不使用」と書かれている種類から選ぶのがおすすめです。