おなやみ安全な鍋の種類が知りたい!
そんな悩みにお答えします。
料理を心から楽しむために、使用する調理器具の安全性は気になるところ。
とくに、あらゆる場面で活躍する「鍋」の素材が心配な方も多いかもしれません。
しかし最近では、焦げつきにくくするために“フッ素樹脂加工”を施した製品が増えており、安くて軽いと言ったメリットの一方、安全性や地球環境に対する問題が懸念されています。
そこで本記事では、鍋のコーティングによく用いられる「フッ素加工」に関する疑問点や、鍋の素材の違いについて解説。
さらに、フッ素加工なしで有害物質を含まない“おすすめの鍋メーカー”を紹介します。
人気のセラミック加工や、スタイリッシュなステンレス、日本メーカーが手がけるホーロー鍋など、さまざまな種類をそろえましたので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を読めば、安全な鍋の選び方と、信頼できるメーカーや製品に出会えます!


フッ素加工された「鍋」の安全性は?


市販されている鍋やフライパンの多くは、軽くて熱伝導率の良い「アルミニウム素材」でできています。
しかし、そのままでは食材がこびりつきやすいため、フッ素樹脂加工という表面コーティングが施されるのが一般的です。
このフッ素樹脂加工された製品は、焦げやこびりつきを防止し、調理が楽になるといったメリットの一方、
劣化しやすく徐々に表面が剥がれてしまう懸念があり、定期的に買い替えが必要です。
また、フッ素樹脂加工には「有機フッ素化合物(PFAS)」に分類される化学物質が関係しており、これらは自然界で分解されにくい性質を持つことで知られています。
そのため、一部のPFASについては、人や環境への影響が指摘されています。
ちなみに近年、水質問題で話題になっているPFOS、PFOA、PFHxSなども、このPFASの仲間です。
PFAS(通称ピーファス)とは、主に炭素とフッ素からなる化学物質
〜中略〜
引用:Q1 PFASとは何か
中には撥水・撥油性、熱・化学的安定性等の物性を示すものがあり、溶剤、界面活性剤、繊維・革・紙・プラスチック等の表面処理剤、イオン交換膜、潤滑剤、泡消火薬剤、半導体原料、フッ素ポリマー加工助剤等、幅広い用途で使用されています。


アルミ素材・ステンレス素材の違い


家庭用の鍋の素材には、「アルミニウム」や「ステンレス」が使われるのが一般的です。
アルミ素材の鍋は、軽く熱伝導率が良いため扱いやすいですが、解説した通り多くの製品にこげつき防止の「フッ素樹脂加工」が施されています。
フッ素樹脂加工は、寿命があり表面が剥がれてしまう懸念があるほか、環境負荷が指摘されることもあるため、積極的におすすめはできません。
一方、ステンレスは、高温に強く錆びにくいといった特徴があり、鍋には定番の素材です。
しかし、アルミニウムよりも熱伝導率が低く焦げやすいといったデメリットがあり、炒め料理などでは十分な予熱や油の使用が必須になります。
とは言え、強く耐久性の高い「ステンレス鍋」はとても使いやすく、ホーローや鉄鍋よりは軽いものが多いので、ひとつ持っていても無駄になりません。
最近では、熱伝導率が高いアルミ素材を、丈夫なステンレス素材でサンドした「多重構造」の鍋も増えてきています。
多重構造の鍋は、単層鍋に比べて熱が均一に伝わり扱いやすい一方、やや重量感が増すためご家庭に合わせて選ぶのがおすすめです。


錆に強く、硬さと耐衝撃性もあり、一般的な鍋の材質としては最も耐久性に優れる。
〜中略〜
単層鋼 熱伝導率が非常に悪く鍋の材質としてはあまり好ましいものではない。調理時間がかかる。熱ムラにより食材が焦げやすい。
引用:鍋>ステンレス
「ホーロー鍋」のメリット・デメリット


ホーロー鍋(琺瑯鍋)とは、鉄や鋳鉄などの金属素材の表面に、ガラス質の釉薬(ゆうやく)を高温で焼きつけた鍋のことです。
ほうろうとは、金属表面に強固にガラス層(膜)を被覆した複合材料で歴史はふるい。
ガラスの化学的安定性、 装飾性などと、金属の強度、加工性などの良い点を組合せた複合材料である。
引用:ほうろうとは!
ホーロー鍋は、内部が金属素材でできているため、丈夫で熱伝導率に優れています。また、ガラス質の加工により酸や塩分に強く、保温性も高いといったメリットがあります。
ただし、急な温度変化や強い衝撃に弱いといったデメリットもあるため、取り扱いには注意が必要です。


また、カラフルなホーロー鍋の“釉薬”には、かつて顔料としてカドミウムなどの重金属が使われていたことがありました。
現在では、食品衛生法によりカドミウム・鉛の溶出量に上限が定められており、安全性の観点から使用を控えるメーカーが増えてきています。
そのため、一般的なホーロー鍋は安心して使えますが、極端に安価な製品や海外製など気になる場合は、詳細をよく確認して選ぶのがおすすめです。
望む色を付けるためや色むらを防ぐため、釉薬にあらかじめ金属成分を溶かし入れることも行われる。中には金属成分に人体に影響を与える鉛やカドミウムを含むものもあり、焼成温度を下げるなど製法次第では成分が溶出して問題になることもある[14]。
引用:釉薬
過去には、有害物として指定されているカドミ、鉛を含むほうろう製品の問題がありましたが、食品衛生法によるカドミ、鉛の溶出限界が示され、今日ではこれらの有害物を含まない原料を使用することで製品が作られています。
引用:ほうろうの環境対策
「鉄鍋」のメリット・デメリット


鉄鍋は、高温でもフッ素樹脂のような有害物質は発生せず、基本的に表面コーティングもされないので、剥がれる心配もありません。
また、耐久性が高いため正しく手入れをすれば半永久的に使い続けられるコスパの良さや、
高温調理が可能で料理がおいしく仕上がる、オーブンで使える製品が多いなどといった点で、料理好きにはとくに人気があります。
しかし、サビやすく手入れが面倒であったり、重いといったデメリットもあるため、一般家庭で使っている人は少なめです。
鉄製の調理器具で有名なのは、岩手県の伝統工芸品「南部鉄器」。
メーカーは複数ありますが、鍋やフライパン、急須などさまざまな製品があり、重厚感のあるデザインも魅力です。


フッ素加工なし!片手鍋・両手鍋おすすめメーカー5選


フッ素樹脂加工がされていない“おすすめの鍋”とそのメーカーを紹介します。
人気のセラミック加工の製品や、おしゃれなステンレス、国産メーカーのホーロー鍋など。
環境に配慮しながらも、扱いやすく長く使えるアイテムを厳選しました!
| メーカー | 概要 |
|---|---|
GREEN PAN(グリーンパン) | セラミック加工 一部オーブン対応 取手が取れるタイプあり |
![]() ![]() 宮崎製作所 ジオプロダクト | ステンレス多重構造 オーブン対応 国内製造 |
野田琺瑯(Noda Horo) | ホーロー鍋 国内製造 |
VERMICULAR(バーミキュラ) | 鋳物ホーロー 国内製造 一部オーブン対応 |
UNILLOY(ユニロイ) | 鋳物ホーロー オーブン対応 国内製造 |
※ランキングではありません。



詳しく解説します♪


GREEN PAN(グリーンパン)
ベルギーで誕生したグリーンパンは、人と環境にやさしい“セラミックコーティング”の調理器具で人気のブランドです。
表面加工は、遠赤外線効果のある“セラミック”に、熱伝導性の高い“ダイヤモンド粒子”をプラス。
耐久性が上がるだけでなく、調理面に素早く熱が伝わり料理が美味く仕上がります。
シンプルな片手鍋・両手鍋はもちろん、取っ手が取れるシリーズ『クリックシェフ』や、
無水調理もできる『フェザーウェイトココット』など、多くのシリーズを展開しています。
公式オンラインストアでは、10%OFFになるクーポンの配布や、買い替え時には無料回収
・本体材質:アルミニウム合金
・表面加工:セラミックコーティング
・重量:1250g
・熱源:ガス、IH <200VIH対応>、オーブン<本体のみ>
・公式サイト:グリーンパンオンラインストア
宮崎製作所 ジオ・プロダクト
宮崎製作所が手がける「ジオ・プロダクト」は、新潟県・燕三条発のステンレス調理器具ブランド。
ステンレスの短所をカバーするアルミニウムを挟んだ“全面7層構造”により、「煮る・焼く・炒める・茹でる・炊く・揚げる」といった幅広い調理に対応しています。
鍋全体に熱を均一に伝えることで、少ない熱量でも効率よく加熱でき、時短調理を実現。
さらに、ふたと本体がぴったり密閉されることで生まれる“ウォーターシール効果”により、内部の温度と圧力を安定して保ちます。
水をほとんど使わない“無水調理”や、余熱で仕上げる省エネ調理が可能で、食材本来のうま味や栄養を逃しにくいのも特長です。
オーブンにも対応しているため、ケーキやグラタンなどをそのまま焼くこともできます。
・本体材質:全面7層構造(18-8ステンレス/アルミニウム/アルミニウム合金/アルミニウム/アルムニウム合金/18-0ステンレス)
・表面加工:なし
・重量:1290g
・熱源:ガス、ハロゲンヒーター、クッキングヒーター、電磁調理器(IH)



日本製 & 15年保証!
野田琺瑯(Noda Horo)
1934年創業の野田琺瑯は、栃木県に工場を構える老舗ホーローメーカー。すべての工程を一貫生産する「完全日本製」のものづくりを実現しています。
ホーローは、鋼板(鉄)を溶接してカタチをつくり、職人の手作業でガラス質のゆう薬をかけて高温焼成。
ホーローならではの熱伝導率の高さや耐久性、シンプルで丸みのあるデザインも魅力です。
定番の片手鍋や両手鍋はもちろん、あると便利なミルクパンなど多彩なバリエーションがそろっています。
・本体材質:ホーロー用鋼板
・表面加工:ほうろう
・重量:約1100g
・熱源:ガス、シーズヒーター、ハロゲンヒーター、ラジエントヒーター、IH電磁調理器(IH100V200V対応)
VERMICULAR(バーミキュラ)
VERMICULAR(バーミキュラ)は、愛知県の鋳造メーカーが手がける“メイド・イン・ジャパン”の調理器ブランド。
独自開発の“鋳物×ホーロー”の製品を、日本の職人が丁寧につくり上げています。
「鋳物(いもの)」とは、高温で溶かした鉄を砂の型に流し込み、鍋などの形にする製造技術。
これに「ホーロー加工」を施すことで、鉄の優れた熱伝導率や耐久性に加え、ホーローならではの保温力や遠赤外線効果を実現しています。
さらに、高い製造技術による密閉性で、食材の旨みを逃さず調理することが可能です。
無水調理のできる『オーブンポット』や、ご飯がおいしく炊ける『ライスポット』、煮炊き料理に最適な『ユキヒラ』といった、さまざまなシリーズを展開。
公式サイトでは、“再コーティング”や“サイズ直し”などの「リペア・リクラフトプログラム」の利用もでき、お気に入りを長く使うことができます。
・本体材質:鋳物ホーロー
・重量:2.9㎏
・熱源:ガス・IH・ハロゲン・オーブン



カーラーバリエーション※も豊富!
※カドミウムは使われていません。
・公式ストア:【VERMICULAR】メイド・イン・ジャパンの鋳物ホーロー調理器ブランド
UNILLOY(ユニロイ)ホーロー鍋
UNILLOY(ユニロイ)は、新潟県燕三条にある鋳物調理器具ブランド。
人気の『ホーロー鍋』は、鋳鉄のなかでも強靭な“ダクタイル鋳鉄”を用いてつくられており、
薄くて軽いのにとっても丈夫。さらに、熱伝導率・保温性にも優れた製品です。
また、継ぎ目のない美しい見た目と、使いやすさにこだわった機能性も魅力。国内外で、2つのデザイン賞を受賞しています。
・本体材質:ダクタイル鋳鉄
・表面加工:ホーロー加工仕上げ
・重量:2.2kg
・熱源:ガス/IH/オーブン/シーズヒーター/ラジェントヒーター等



深型と浅型の2タイプ!
・公式サイト:世界一、軽い。鋳物ホーロー鍋。UNILLOY(ユニロイ)
















