美容やダイエット、腸活など、さまざまな分野で注目を集めている“ココア(カカオ)パウダー”。
市販でも豊富な種類がそろっていますが、「どれを選べばいいの?」「何が違うの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
実はひとくちにココアと言っても、カカオ豆の栽培方法や使用されている原材料などに大きな違いがあります。
なかには、糖分や添加物が多く含まれている商品もあるため、成分表示のチェックは欠かせません。
さらに、製造時に行われるアルカリ処理についても、「本当に避けるべきなのか?」という疑問の声も上がっています。
そこで本記事では、“ココア”に含まれる注目成分やその働き、さらに市販の“ココアパウダーの違い”についてわかりやすく解説します。
あわせて、有機・オーガニックなど栽培方法にこだわった、おすすめの“無添加ココア”も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を読めば、自分に合ったココアパウダーの選び方や、毎日の暮らしにうれしい取り入れ方がきっと見つかります!

ココアの成分とその効果とは?

ココアパウダーは、チョコレートの原料と同じ「カカオ豆」から生まれます。
これはチョコレートを作る工程でできるカカオマスから、油分(カカオバター)を限りなく取り除き、パウダー状にしたものです。
ココアの魅力は、カカオの栄養を取り入れながらも、チョコレートに比べて脂肪分が少ないところ。
カカオ豆には、抗酸化作用のある“カカオポリフェノール”、整腸に役立つ“食物繊維”、カリウムやマグネシウムといった“ミネラル類”、
さらには、リラックス効果も期待される“テオブロミン”などさまざまな成分が含まれています。
一方、ココアパウダーには少量ながらカフェインも含みます。
そのため摂りすぎには注意が必要で、1日1杯(5〜10g程度)を目安に楽しむのがおすすめです。
カカオポリフェノールの抗酸化作用による心臓病のリスク低減・動脈硬化の抑制作用や肥満すなわち脂肪蓄積を抑える効果といった生活習慣病の予防効果、脳機能の改善効果などが研究成果として報告されています。
引用:チョコレート・ココアの研究が日本をはじめ世界中で進んでいると聞きますが、これまでにどんなことがわかっていますか?
ココアには約24 g/100 g[8]の食物繊維が含まれていると報告されています。カカオマスに含まれる食物繊維は、不溶性のものがほとんどで、水溶性食物繊維は約5 %しか含まれません[4]。
引用:食物繊維
生活習慣病の改善などの健康効果に関する報告から、1日に少なくとも5~10 g程度のビターチョコレート(1~2片程度)又はココア一杯(純ココアで5~10 g程度)を毎日続けることが良いと考えられています。
引用:チョコレート・ココアは1日にどれくらい食べると健康によいですか?
・参考URL:日本チョコレート・ココア協会 / 明治 チョコレートと健康効果に関するレポート


ココア(カカオ)パウダーの違い

市販されている“ココアパウダー”の種類や違いを解説します。
- “純ココア”と“調整ココア”について
- “アルカリ処理”と“非アルカリ処理”の違い
“純ココア”や“調整ココア”について

“チョコレート類の表示に関する公正競争規約及び施行規則”によると、「ココアパウダー」の定義は以下の通りで、
かんたんに言えば、ココアケーキ※を粉砕したもの。その他の成分はほとんど含まれません。
※ココアケーキとは、カカオニブやカカオマスから脂肪分の一部を除いたもの
ココアケーキを粉砕したもので、これに含まれるココアバターが全重量の8パーセント以上、水分が全重量の7パーセント以下のものであって、バニラ系の香料以外のものを含まないもの
引用:チョコレート類の表示に関する公正競争規約
〜中略〜
必要によりバニラ系以外の香料、香辛料、ビタミン、ミネラル等を3パーセント未満加えたもの
そのなかで、さらに「純ココア」や「ピュアココア」として販売されるものは、
〜ココアパウダーのココアバターが全重量の22%以上、水分が7%以下であってバニラ系の香料以外のものを含まないもの〜
と定められています。
つまり、通常のココアパウダーに比べて、「純(ピュア)ココア」として販売されるものは、
脂質は多めでリッチな味わいのものが多く、ほとんどが無添加のココア粉末であるということです。
5 事業者は、チョコレート生地若しくはチョコレート生地のみのチョコレート又はココアパ
ウダーについて、「純良」、「Pure」 その他当該製品が純粋である旨を意味する文言を表示する
場合は、次の各号の基準によらなければならない。
〜中略〜(3) ココアパウダー
引用:チョコレート類の表示に関する公正競争規約 (第4条-5)
ココアパウダーのココアバターが全重量の22パーセント以上、水分が全重量の7パーセント以下のものであって、バニラ系の香料以外のものを含まないものに限り表示することができる。
一方で、気をつけたいのが「調整ココアパウダー」という名称で販売されている製品です。
これには、糖類、乳製品、その他の可食物の使用が認められています。

(1) ココアパウダーに糖類のみを加えたものにあっては、ココアパウダーが全重量の32パーセント以上、水分が全重量の7パーセント以下のもの
引用:チョコレート類の表示に関する公正競争規約
(2) ココアパウダーに乳製品又は糖類以外の他の可食物を加えたものにあっては、ココアパウダーが全重量の20パーセント以上、水分が全重量の7パーセント以下のもの
(3) ココアパウダーに糖類及び乳製品又は他の可食物を加えたものにあっては、ココアパウダーが全重量の10パーセント以上、水分が全重量の7パーセント以下のもの
例えば“ミルクココア”などの名称で売られている「調整ココア」に分類される粉末は、甘みがあって飲みやすいといったメリットはあるものの、
乳製品、糖類、さまざまな添加物が使われているものも多いため、原材料をよく確認して選ぶのがおすすめです。
・参考資料:チョコレート類の表示に関する公正競争規約及び施行規則
“アルカリ処理”と“非アルカリ処理”

ココアパウダーには、①ブロマプロセスと②ダッチプロセスといった2種類の製造方法があります。
①ブロマプロセスとは、ロースト後のカカオマスを圧搾して油分を取り出し粉末状にしただけの、いわゆる純粋なココアパウダー。
化学的な工程を一切含まず、カカオ本来の成分を取り入れることができる一方で、カカオの酸味や苦味を感じやすく、飲みにくいといった声もあります。
カカオマスを油圧圧搾して作られる。得られるココアパウダーはいわゆるチョコレート色よりも赤みがかっており、また苦味や酸味を感じることでも分かる通りpHはやや低い値を示す
引用:ココアパウダー

一方で②ダッチプロセスとは、ロースト前のカカオニブに含まれている発酵による酸を、アルカリ溶液に浸すことでpHを中性に近づける工程です。
この処理を行うことで、カカオの風味が穏やかになり飲みやすくなるだけでなく、
製造効率が上がる、水に溶けやすくダマになりにくい、色が濃くなり高級感が増す、といったさまざまメリットが得られます。
そのため現在、スーパーなどで売られているほとんどのココアパウダーに、このアルカリ処理が行われています。

アルカリの添加量が多いほど濃い色に!
一般的なカカオ豆の自然な酸味と苦味を中和しました(今日では、圧搾前に液体を処理することができます)。これにより、より濃い色のココアが作られ、ダッチドココアはよりチョコレートっぽいと多くの人が思うようになります。ダッチドココアはより溶けやすく、これはファン・ホーテンの当初の意図でもありました。天然ココアは水によく混ざらないためです。
引用:All Types Of Chocolate
このアルカリ化には、“炭酸カリウム”や“炭酸ナトリウム”などが使用されていますが、
これらは食品添加物としても利用される成分であり、さらにココアには中和されるため製品には残らないようです。
しかし、カカオ本来の抗酸化作用や風味が弱くなるといった意見が一部あり、
なるべく自然なものを好む方は非アルカリ処理のココアパウダーか、色が濃すぎない添加量が抑えめだと思われるココアパウダーを選ぶのがおすすめです。
ダッチプロセスココア、ダッチドココア、またはアルカリ化ココアは、ココアの自然な酸味を抑えるためにアルカリ化剤で処理されたココア固形物から作られ、ブロマプロセスで抽出された「ナチュラルココア」に比べて苦味が少なく、色が濃くなります。使用されるアルカリ化剤は様々ですが、炭酸カリウム(E501)、炭酸ナトリウム(E500)、水酸化ナトリウム(E525)などがあります。
引用:Dutch process cocoa
ただしココアパウダーの成分は使われるカカオ豆の品種によっても左右するほか、
アルカリ処理がされていても十分な量の抗酸化物質が含まれているといった主張もあり、結論には至っていません。
価格は非アルカリ処理の方が割高になる傾向にありますので、
飲みやすさ・続けやすさを優先するか、成分の損失を最大限防いでいるものを選ぶかは個人の考え方次第です。
・参考URL:New study re-emphasizes natural cocoa powder has high antioxidant content(2008)、Cacao seeds are a “Super Fruit”: A comparative analysis of various fruit powders and products(2011)、Impact of alkalization on the antioxidant and flavanol content of commercial cocoa powders(2008)




無添加ココア・カカオパウダーおすすめ9選!


おすすめの“無添加ココア・カカオパウダー”を紹介します。
カカオ本来の風味や栄養をしっかり味わえる「非アルカリ処理」のタイプはもちろん、
飲みやすく続けやすい「アルカリ処理」タイプ、さらに甘みが加えられた「調整ココア」まで。
いずれも、有機・オーガニック素材にこだわった厳選のラインナップです。
スーパーなどの市販で購入できる種類もありますので、ぜひチェックしてみてください!
※ランキングではありません。



詳しく解説します♪
【レインフォレストハーブ】ナチュラルココアパウダー
レインフォレストハーブの『ナチュラルココアパウダー』は、ペルー産の“有機カカオ”を使用したココア粉末です。
アルカリ処理は行っていないため、カカオ本来の栄養や風味がそのまま活きており、フルーティーで奥深い味わいが楽しめます。
お湯やミルク、プロテインと割ったり、ヨーグルトやアイスにトッピングするのもおすすめです。
有機ココアパウダー



内容量は、140gと300g!




【シェフズチョイス】オーガニックローカカオパウダー
シェフズチョイスの『オーガニックローカカオパウダー』は、世界でも希少な“クリオロ種”のカカオ豆をブレンドしたココア粉末です。
カカオは、非加熱・低温発酵・非アルカリ処理で加工されており、自然な甘さと濃厚なコクが魅力。
お菓子作りはもちろん、料理やカフェラテ、スムージーなど、さまざまなシーンでお使いいただけます。
各国のオーガニック認証を取得しているほか、Vegan(ヴィーガン)、Non-GMO(非遺伝子組み換え)などの品質基準もクリアした製品です。
有機カカオ豆



内容量は300gと1kg!




【ニチガ】オーガニックココアパウダー
ニチガの『オーガニックココアパウダー』は、ドミニカ共和国やペルーなどで有機栽培されたカカオ豆を使用したココアパウダー。
脂肪分が約20%含まれているため、まろやかでコクのある贅沢な味わいが楽しめます。
きめ細かなパウダー状で、ドリンクはもちろん、お菓子作りや料理の材料としてもおすすめ。
たっぷり使える1.5kgの大容量タイプもあり、コスパを重視する方や継続して楽しみたい方に人気です。
オーガニックココアパウダー(オランダ製造)



200g、500g、1.5kgの3種類!






【SOMA FOODS】有機カカオパウダー
SOMA FOODSの『有機カカオパウダー』は、希少なクリオロ種を含む“3種類の有機カカオ豆”をブレンドしたカカオ粉末です。
非アルカリ処理のため自然な苦味と酸味が残されており、それぞれの風味が複雑に混ざりあった、深みのある味わいが楽しめます。
大容量タイプもあるため、長く続けたい方や製菓材料に使いたい方にもおすすめです。
有機カカオ



500g、1kg、1.5kgの3種類!




【ヴァンヴリット】ナチュラルココアパウダー
ヴァンヴリットの『ナチュラルココアパウダー』は、ドミニカ共和国の小規模農家から調達されたカカオを使用した“有機ココア粉末”です。
カカオバターの含有量は、10~12%と低カロリー。非アルカリ処理のため、豊かな香りと自然な味わいが残されています。
そのままお湯やミルク、プロテインなどに混ぜるのがおすすめ。ナチュラルで贅沢な美味しさをお楽しみいただけます。



内容量は、350gと750g!
【LIFE JOY】ナチュラルカカオパウダー
LIFE JOYの『ナチュラルココアパウダー』は、ペルー産のオーガニックカカオ100%。EU有機認証を取得した、ナチュラルなココア粉末です。
たっぷり使える500gサイズで、毎日のドリンクにも、料理やお菓子作りの材料としてもおすすめ。
アルカリ処理はされていないので、やや酸味のある自然な美味しさを楽しむことができます。
カカオ豆


【桜井食品】オーガニックココアパウダー
桜井食品の『オーガニックココアパウダー』は、ペルー産の“有機カカオ”を使用したココア粉末です。
非アルカリ処理のため多少の酸味はありますが、苦味は抑えめでさっぱりとした味わい。
ホットやアイスのドリンクにはもちろん、ケーキやお菓子作りの材料、料理のアクセントとしてもおすすめです。


オーガニックココアパウダー



使いやすい100g!


【emmy organics】オーガニックジンジャーココア
エミーオーガニクスの『オーガニックジンジャーココア』は、深いコクのある“有機ココア”に、“きび砂糖”と“生姜”を加えた、自然な甘さのココアパウダーです。
牛乳や豆乳、アーモンドミルクとの相性も抜群で、ホットでもアイスでもお楽しみいただけます。
カカオ由来の“ポリフェノール”と生姜に含まれる“生姜オール”のパワーを同時に摂ることができる、寒い冬にもぴったりのドリンクです。
有機キビ砂糖、有機ココアパウダー(ココアバター20%~22%)、有機生姜



内容量は、80gと500g!




【ブラウンシュガーファースト】有機ホットチョコレートオリジナル
ブラウンシュガーファーストの『有機ホットチョコレートオリジナル』は、
ドミニカ共和国産の“有機カカオパウダー”に、コクのある“有機ココナッツシュガー”をプラスした無添加ココア粉末です。
カカオの芳醇な香りと、やわらかで自然な甘みが魅力の一杯は、日常のリラックスタイムにぴったり。
お好きなミルクと合わせて、オリジナルのチョコレートドリンクをお楽しみいただけます。
有機ココアパウダー(ココアバター20~22%)、有機ココナッツシュガー



「瓶入り80g」と「パウチ入り450g」の2タイプ!







