マヌカハニーってどう選べばいいの?
そんな疑問にお答えします。
ニュージーランド原産のはちみつである「マヌカハニー」。
その健康や美容への効果から、日本をはじめ世界中で注目が集まっています。
最近では、市販で気軽に購入できるようになりましたが、
「種類が多くてどれがいいのか分からない」、「ランクや数値の見方が難しい」などといった意見も多く聞かれます。
また、マヌカハニーの味は独特のクセがあり「まずい!」「食べにくい!」という声もしばしば……。
一方私自身は、これまで様々な種類を食べ続けた結果、健康維持のためのマヌカハニーは生活になくてはならない存在となっています。
そこでこの記事では、市販されるマヌカハニーの選び方や注意点、信頼できるおすすめのマヌカハニーブランドを紹介します。
マヌカハニーによく書かれている「MGO」や「UMF」の違い、数値についても詳しく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を読めば、マヌカハニーについて詳しくなれるだけでなく、自分にあった数値や美味しい「本物のマヌカハニー」と出会えるはずです。
マヌカハニーとはちみつの違い
マヌカハニーとは、ニュージーランド原産のハチミツのことで、「マヌカ」とはニュージーランドの先住民であるマオリ族の言葉に由来しています。
「マヌカ」とは、マオリ語で「復活の木」もしくは「癒しの木」という意味です。
引用:マヌカハニーとは
ニュージーランドには日本と似たような四季があり、
マヌカの花は一年のうち数週間しか咲かないため、とても貴重なハチミツと言われています。
一般的な蜂蜜と同じく常温保存が可能です。
マヌカハニーと一般的な「はちみつ」との違いは、
「MGO(メチオグリオキサール)」という活性成分が多く含まれていることや、「シリング酸メチル」という抗酸化物質を多く含んでいるところ。
普通のハチミツはこれが含まれていないか、含まれていても少量です。
ニュージーランドのワイカト大学のモーラン博士がマヌカ蜂蜜には高い抗菌活性があることを見出し,またドイツのヘンレ博士はその抗菌活性成分がメチルグリオキサール(図 2)であることを示した。
引用:マヌカ蜂蜜の現状について ─特徴,成分,認証─
マヌカハニーには、MGOによる強力な抗菌作用に加え、レンゲやアカシアなどの他のハチミツに比べて活性酸素を除去する抗酸化作用も強力であることが知られています。これは、マヌカハニーに特異な成分であるシリング酸メチルの働きによるものです。
引用:マヌカハニーとは
おすすめの食べ方・料理に使える?
色が濃く、濃厚な味わいが特徴の「マヌカハニー」ですが、
その効果を最大限活用するなら、ティースプーン1杯程度をそのまま食べるのがおすすめです。
食べにくいようなら、ヨーグルトやアイス、パンやナッツにかけたり、
手作りドレッシングやソースなど、砂糖がわりに料理に使うのも◎少量でもしっかりとした甘みをプラスすることができます。
マヌカハニーの活性成分は、比較的熱に強いので料理に使っても問題はありませんが、
含まれる酵素やその他の栄養成分は熱によって失われてしまう可能性がありますので、高温調理はなるべく避けて使うのがおすすめです。
温度別に10分間加熱した試験では,90℃まではMGOの減少が認められなかったものの,120℃および150℃では顕著な減少が認められた。
引用:調理加工への応用を目指したマヌカハニー特有成分の熱安定性に関する検討
本物と偽物の見分け方
ニュージーランド産のマヌカハニーは、審査が厳しく偽物は出回りにくいです。
偽物が多く問題になっているのはふつうの蜂蜜の方で、
マヌカハニーはニュージーランド産のものであれば、ほぼ間違いなく本物です。
しかしマヌカハニーのメーカーは非常に多く、なかには聞きなれないブランドもあるため、
確実に本物を見分けるために知っておきたいポイントを3つ紹介します。
- バッチ番号がついているか?
- モノフローラルかマルチフローラルか?
- 等級・数値はどう選ぶ?(MGO・UMFなど)
バッチ番号がついているか?
ニュージーランド産のマヌカハニーは、政府の科学的な検査をクリアしたもののみが販売を許可され、
養蜂家はマヌカハニーの詳細な記録を登録する必要があります。
そして商品ラベルには必ず「バッチ番号」が記載され、
消費者はこの「バッチ番号」や「QRコード」を読み取ることで、購入したマヌカハニーの産地や検査数値などの詳細な情報を知ることができます。
このようなトレーサビリィティ(追跡可能性)の確保によって、確実にマヌカハニーであることの証明がされているのです。
2017年12月、一次産業省(MPI)は、特定の蜂蜜がニュージーランドのマヌカハニーであるかどうかを認証するために使用できる強力な科学的定義を完成させました。
引用:Mānuka honey testing
モノフローラルかマルチフローラルか?
同じマヌカハニーでも、実は「モノフローラル」のマヌカハニーと「マルチフローラル」のマヌカハニーに分けられます。
「モノフローラル」は、マヌカ単一の花から採れたマヌカハニー。「マルチフローラル」は、マヌカと他の花の蜜が混ざっているマヌカハニーのことです。
どちらも一定の成分が含まれていれば「マヌカハニー」として販売が許されていて、これらはニュージーランド政府の科学検査によって分けられます。
日本ではモノフローラルか、マルチフローラルかよりもMGO値(活性成分)の含有量を気にする人が多いためあまり注目されていませんが、実際にはほとんどがマルチフローラルです。
「モノフローラル」マヌカハニーは価格がやや上がりますが、えぐみが少なく食べやすいものが多いので、
美味しさを求める方や日常的に取り入れたい方は、ぜひ「モノフローラルマヌカハニー」もチェックしてみてください。
ハニーマザーのマヌカハニーはすべてモノフローラルです。
数値はどう見る?umfやmgoの違い
マヌカハニーは、それぞれのメーカーが採用している等級によって数値化されグレードが分かれています。
とくにメジャーなのが「MGO」と「UMF」。さらに「MGS」や「Kファクター」といった種類もあります。
結論から言えば、「UMF」がおすすめ。品質基準を満たしたメーカーのみが使え、シェアも高く信頼できる等級です。
それぞれどんな特徴があるのか、解説していきます。
等級 | 意味 |
---|---|
MG・MGO (メチオグリオキサール) | 1kg中に何mgのMGが入っているかを表す。例:100mg含まれている→「MG100+」 |
UMF (ユニーク・マヌカ・ファクター)おすすめ! | フェノール液(消毒液)の濃度と比較した抗菌力を表す。例:フェノール液5%に相当する→UMF5+。 |
MGS (モラン・ゴールド・スタンダード) | マヌカハニーの持つ健康活性力をフェノール液と比べた数値。Oha Honey社のみが採用。 |
Kファクター (ケーファクター) | ヴェダースプーン社の独自規格。 |
※MG=メチオグリオキサール(活性成分)
MG・MGO(メチオグリオキサール)
マヌカハニー特有の活性成分(メチルグリオキサール)の量がわかりやすく記載されているのがMG(MGO)です。
これは「1kg中に何mgのメチルグリオキサールが入っているか」を表していて、
数値が高ければ高いほど、MGの含有量が多く活性力が高いマヌカハニーという意味になります。
100mg含まれている場合は「MG100+」となる。
普段づかいに適しているのはMG100+前後と言われていて、
手軽にマヌカハニーを取り入れたい方や、初めての方は低い数値から試してみるのがおすすめです。
数値が増えるほど値段も上がります。
UMF(ユニーク・マヌカ・ファクター)
UMFはニュージーランドのマヌカハニー協会の独自規格です。
UMFは4つの品質評価テスト(効力・信頼性・鮮度・純度)を設けていて、認定されたブランドのみ使用が許されます。
UMFマヌカハニーにはMGO値も併記されるので含有量もわかりやすく、HMF値が決まっていたりと鮮度にも基準があるところが特徴です。
多くのブランドが採用している信頼性が高い等級といえますが、あえて認証を受けずにコストを下げて安く提供するといったメーカーも存在します。
UMF5+は、MGO83+に相当します。
日常的に取り入れたい方や初心者の方にはUMF5+あたり、
食べる頻度が少ない方や、効果をしっかり感じたい方には、UMF10+以上がおすすめです。
HMF値(ヒドロキシメチルフルフラール)とは?
マヌカハニーに含まれるMGO値は、数値が高いほど値段も高く販売されますが、
これは一定期間、貯蔵したり加熱したりすると増加させることができます。
この異常な加熱処理や長期保存は、HMF値(ヒドロキシメチルフルフラール)によって見破ることができるのです。
UMF等級では、HML値40mg/kg以下と定められており、異常な数値のものを認めていません。
蜂蜜の加熱はヒドロキシメチルフルフラール(HMF)量を確実に増加させるため、HMF量の検査により異常な加熱処理や長期保存を見破ることができる。
引用:マヌカハニーの成分検査による認証・グレーディングについて
ヒドロキシメチルフルフラールは、糖や炭水化物の熱分解により生成される、分子式C6H6O3の有機化合物である[1]。HMFと略記される。HMFは牛乳やフルーツジュース、蒸留酒や蜂蜜などの食品を加熱すると微量ながら生成することが知られている。またたばこにも含まれていることが近年の研究から明らかとなった。
引用:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』>ヒドロキシメチルフルフラール
MGS(モラン・ゴールド・スタンダード)
マヌカハニー研究の第一人者・ピーターモラン博士が生み出した等級が、MGS(モラン・ゴールド・スタンダード)です。
1981 年に、モランはマヌカハニーの防腐特性を調査し始めました。[3]彼の研究により、マヌカハニーには顕著な非過酸化物抗菌活性があることが判明しました。
引用:Peter Molan
MGSはUMFの基準も取り入れつつ、確実に記載の数値以上のマヌカハニーを保証するために、
表示よりも実際の数値が高いものであるといった、さらに厳しい基準を取り入れています。
しかし現在MGSを採用しているのは、ニュージーランドの大手マヌカハニー企業・オハハニーの1社のみで、
日本で手に入る製品は限られています。
●「ナイタフ」の一部門で、NZで4本の指に入る
引用:マヌカハニー比較表
大手マヌカハニー企業 OHA Honey
●2018年にワトソン&サン社から経営権を受け継ぎ、
マヌカハニーの数値基準 MGS のライセンスを保有
MGS 5+=MGO100相当。UMF5+=MGO83+のため同じ数字でもMGSの方が高い。
MGSもUMFと同じように、MGO値がラベルに併記されています。
美味しいおすすめ「マヌカハニー」5選!
たくさんのマヌカハニーを食べ続けた結果、
本当に信頼できるブランドのなかから、美味しくて本当におすすめな「マヌカハニー」を紹介します。
メーカー名(等級) | 種類 |
---|---|
瓶入り 個包装スティック ロゼンジ(のど飴) | |
コンビタ(UMF) | ボトル入り 個包装スティック のど飴 |
ハニーバレー(UMF) | ボトル入り |
マリリニュージーランド(MGS) | ボトル入り ロゼンジ(のど飴) |
ヴェダースプーン(Kファクター) | ボトル入り ドロップ |
それぞれ解説していきます♪
【UMF】ハニーマザー
マヌカハニーの専門店・ハニーマザーのマヌカハニーは、マヌカの花蜜だけを集めた貴重なモノフローラルのみが採用されています。
生キャラメルのようなもっちり感で、マヌカ独特のクセが苦手な方にもおすすめ。
農薬や化学物質の影響を受けない環境で養蜂されていますが、
ニュージーランドを出国する際には、改めて残留農薬検査が行われ、購入すると残留農薬不検出証明書がついてきます。
マヌカハニーは数値によって6種類に分けられ、それぞれ「250g」と「500g」 の2サイズ。
持ち運びにも便利な『ロゼンジ(のど飴)』や『個包装スティック』、プレゼントに人気の『ギフトセット』もおすすめです。
プラスチックゴミを出さないガラス瓶を採用しています◎
【UMF】コンビタ
コンビタは、ニュージーランドで設立された世界50カ国以上で販売される老舗・マヌカブランド。
抗生物質や農薬は一切不使用。独自の管理システムにより徹底したトレーサビリティの確保で品質管理されています。
ねっとり濃厚なテクスチャーで、パンやナッツとも絡みやすい濃密な美味しさ。
マヌカハニーの香りは多少ありますが、独特の風味はそこまで強くなく、普通の蜂蜜と同じように楽しんでいただけるかと思います。
プロポリス入りキャンディーも人気!
【UMF】ハニーバレー
ハニーバレーの『プレミアムマヌカハニー』は、濃厚な甘みが特徴のニュージーランド産マヌカハニーです。
グレードはUMF等級が採用されていて、4つの数値に分かれています。初心者の方など、気軽に始めてみたい方はUMF10+以下がおすすめです。
パンやナッツ、ヨーグルトに入れたり、砂糖の代わりとして紅茶などに甘味をプラスするのにも向いています。
ミツバチに抗生物質を与えない、無農薬の環境のなか養蜂が行われています。
【MGS】マリリニュージーランド
日本初のマヌカハニー専門店・マリリニュージーランド。
『マヌカゴールド』は、MGS等級を採用している数少ないマヌカハニーのひとつで、
ニュージーランドの大手マヌカハニー企業・オハハニー社が、抽出からボトル詰めまでを一括管理しています。
コクのある甘さと、トロッと滑らかな舌触りが魅力。そのままでも、パンやヨーグルトなどに混ぜても美味しくお召し上がりいただけます。
250g〜1kgの大きめサイズもでていて、長く続けたい方や料理に使いたい方にもおすすめです♪
【Kファクター】Wedderspoon
『ヴェダースプーン』は、マヌカハニー特有の活性成分・メチオグリオキサール(MGO)の数値に焦点を当てない、
Kファクターという独自の評価基準を取り入れ、以下「5つの要素」で構成されています。
- 追跡可能である
- 生であり、低温殺菌されていない
- 遺伝子組み換えではない
- 抗生物質・グリホサート・農薬を含まない
- ニュージーランドで調達&梱包をする
KファクターはMGOの数値で分けるのではなく、
赤いボトルの『モノフローラル』と青いボトルの『マルチフローラル』で分けられています。
※モノフローラルはマヌカ単一の花、マルチフローラルは、マヌカと他の花の蜜が混ざっているマヌカハニーのことです。
マヌカハニーは、MGO値が低くても十分に効果が期待できます。世界的には、数値よりも品質が重視されるため、このような製品が人気です。
赤いボトルの『モノフローラル』は、クセがなくとっても食べやすいです。
自然派食品が買える、通販サイト iHerb(アイハーブ) では、
マヌカハニー入りの『ドロップ』、使いやすい『卓上ボトル』などの様々な種類も販売されています。
【FAQ】マヌカハニーの注意点やデメリット
マヌカハニーの種類や見分け方、信頼できるおすすめブランドを紹介しました。
最後に、マヌカニーに関するデメリットや食べる時の注意点など、よくある疑問を解決します。
赤ちゃんはNG!何歳から食べられる?
赤ちゃんがハチミツを食べると乳児ボツリヌス症 にかかるおそれがあるため、
マヌカハニーに限らず蜂蜜は1歳未満の乳幼児には与えてはいけません。
詳しくは、厚生労働省のハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。 からご覧いただけますが、
ハチミツだけでなく、ハチミツ入りの飲み物・お菓子も合わせて注意が必要です。
金属製のスプーンはNG?
マヌカハニーに関する質問でよくあるのが、「金属製のスプーンを使ってはいけない?」という疑問です。
結論から言えば、この噂ははっきりとした事実はなく、デマでだと言えます。
個人的に大手メーカーに直接確認したことがありますが、答えはNO。使っても成分は変わらないようです。
なぜこのような噂があるのかというと、マヌカハニーに含まれる「酸」がスプーンの金属を溶かし、
成分を変えMGO値が弱まってしまうのでは?といった心配からのようです。
しかし、マヌカハニーの酸で金属が溶けてしまうなら柑橘系の食べ物はもっと使えないはずですし、
マヌカハニーをすくって食べるほんの数秒で溶け出すとも考えられません。
そのため、金属製のスプーンでも問題はないはずですが、
実際には気にする人は多くいるようで、マヌカハニーや蜂蜜用の「スプーン」として販売されている製品のほとんどが木製のものです。
Q:金属製のスプーンを使用しても大丈夫ですか?
A:長期にわたって容器に入れたままにしなければハチミツに影響はありません。
引用:よくある質問(FAQ)